1話 なれなれしい男

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「実行組長て男女でペアだろ?」 「あぁ。そうだ。」 「じゃあさ、俺の女子の相手は 俺が作ったくじ引きで 決めさせてくれよ。」 そう言って取り出したのは 大きな箱。 「こん中に一枚だけ当たりがある それを引いた奴が女の組長。」 そう誇らしげに言う桜井君。 あたしはといえば、 呆然とその箱を見つめた。 ……桜井君って 変わった人なのだろうか。 だって、 わざわざ自分でくじ引きを作る? たとえば お目当ての人がいたとして 名指しをするならまだわかる。 なのになんで……くじ引き? 誰が当たるかなんて運なのに。 それともただの工作好きな人? あたしの中で?が飛びかったけど 先生は気にすることなく にっと笑った。    
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