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「……はぁ……」
あたしがうんざりと息をはいて
桜井君の持つ紙に
目をやったとき――
「……莉緒?
珍しいな。
食堂にいるとか。」
桜井君よりも図太い声。
そう言って
あたしの肩をたたく。
その感触には覚えがあって――。
「――…雄司。」
……ほら。
数日前、冷たく当たったあたしに
雄司は何もなかったかのように
接してくる。
なんで?
どうして。
……迷惑なのに。
“黒崎君もこんなメガネ女子と
付き合ってたなんて。
かわいそー”
「雄司?
……あぁ。
例の黒崎って奴か。」
そう言った桜井君。
ペンをくるっと回した。
「お前誰?」
そう言った雄司に――
「俺?
俺は宮坂のクラスメイト。」
初めての2人のかけあい。
あたしは口を挟まず――
黙々とドリンクを飲んだ。
「俺と宮坂、組長なってさ。
なっ?宮坂。」
「…………」
「無言の肯定ー」
そう言って
桜井君はははっと笑った。
何がおもしろいんだろう。
いつも笑顔を浮かべてて。
意味わかんない……。
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