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「莉緒と組長?
……ははっ。
かわいそ。」
そう言った雄司の顔を
あたしはわざと見なかった。
いちいちけなしに来たなら
さっさとどっか行ってほしい。
あたしはドリンクのコップに
ぎゅっと力を込めたまま
じっと下を向いていた。
直感で……
桜井君が
ちらっとこっちを見ているのを
感じる。
「…………。
俺は別に、
自分が可哀想だなんて
思わねーけど?」
……え…?
「…………」
「だって莉緒、
組長なんかに選ばれて
迷惑だって思ってそうだけど。
でもこうやって、
組長の仕事には
きちんと協力してくれる。」
「……バカじゃねぇの。
こいつ、
こうやって座ってるだけだろ。
自分の意見言わねぇだろ。」
「別にいい。それでも。
……莉緒はいい子だって
俺は思う。」
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