プロローグ

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やっぱり男なんて みんなそうなんだ。 気楽に付き合って。 上面だけの 愛の言葉をささやいて。 “好き” “愛してる” その言葉には―― 少しの重みも存在しない。 “莉緒、愛してる。” いつか言われた雄司のその言葉も からっぽだった。 「話は終わり?」 「……あ? あ、ああ……」 「じゃぁ、帰る。」 素早くカバンを手に取り 教室を出ようとしたあたしを―― 「待てよっ…!」 雄司は強く引き止めた。 振り返ると 雄司は鋭い目つきで あたしを見つめてる。 ……なんで? どうしてあたしがこんな目で 見られないといけないの? 「……なに?」 「お前さ…… 俺だけが悪いように言って 帰ろうとするけど……」 「だってそうでしょ?」 「…………。 確かに告白したのは俺だけど… だけどお前、別に俺のこと 好きじゃないだろ。 なのに何で俺と付き合った?」    
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