395人が本棚に入れています
本棚に追加
「それは――…
信じてみようと思ったから。」
半年前。
あたしに告白をしてくれた雄司は
あたしを真っ直ぐ見つめてくれて
「……あんたが言ったんじゃん」
“俺と付き合って。
そしたら――…”
「俺は莉緒だけを大切にする」
そう言った
あたしを見ていた雄司は
ゆっくりと視線を下に下ろした。
「いきなり名前を呼びすてなんて
失礼な奴だと思ったけど……
でもその言葉を
信じようと思った。
だから付き合おうって決めた。」
「…………」
「なのに、裏切った。
あんたは、あたしを。
それなのに……
好きでもないのに
付き合ったのはあたしだなんて
あたしに責任転嫁しないで。」
そう言い放つと――
――…ピシャン…
あたしは教室の扉を開け
勢い良く閉めた。
最初のコメントを投稿しよう!