第1章 エクストラ

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入り口から暫く、薄暗い内部を悠然と歩むギャザリン。 遺跡内部は鋼鉄の壁や柱で出来ていた。 だが、酸化し、錆び付いてはいない。 特殊な加工が施されているのだろう。 しかしギャザリンはそんな室内に視線を向けようとはせず、正面だけを見据えていた。 そんなギャザリンを数メートル頭上から狙う2人の亜人。 抜き身の短剣を手に、2人は無音でギャザリンに向け跳躍。 瞬間、ギャザリンはオーラを槍に変えて2人を貫いた。 完全に死角からの攻撃だったにもかかわらず、的確に心臓を貫いている。 「くそっ、なんだよあれは!  撃て!  これ以上進ませるな!」 暗がりで亜人の1人が叫ぶと、魔法弾の嵐がギャザリンへ飛来した。 圧縮され震動する水の槍、ナリーが使用した赤球、それに近い見た目の燃える火球が次々と迫る。 それを前に、ギャザリンは避ける動作を見せない。 代わりに動くは漆黒のオーラ。 まるで生きているかのように流動し立ち上がる様は、どの黒の騎士よりも雄々しく、禍々しい。
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