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入り口から暫く、薄暗い内部を悠然と歩むギャザリン。
遺跡内部は鋼鉄の壁や柱で出来ていた。
だが、酸化し、錆び付いてはいない。
特殊な加工が施されているのだろう。
しかしギャザリンはそんな室内に視線を向けようとはせず、正面だけを見据えていた。
そんなギャザリンを数メートル頭上から狙う2人の亜人。
抜き身の短剣を手に、2人は無音でギャザリンに向け跳躍。
瞬間、ギャザリンはオーラを槍に変えて2人を貫いた。
完全に死角からの攻撃だったにもかかわらず、的確に心臓を貫いている。
「くそっ、なんだよあれは!
撃て!
これ以上進ませるな!」
暗がりで亜人の1人が叫ぶと、魔法弾の嵐がギャザリンへ飛来した。
圧縮され震動する水の槍、ナリーが使用した赤球、それに近い見た目の燃える火球が次々と迫る。
それを前に、ギャザリンは避ける動作を見せない。
代わりに動くは漆黒のオーラ。
まるで生きているかのように流動し立ち上がる様は、どの黒の騎士よりも雄々しく、禍々しい。
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