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「ぐあっ」
進行ルートに居る亜人を次々と切り捨てていくギャザリン。
「早く逃げろ!」
「でも!」
開け放たれた部屋の前で躊躇している獣の耳と尻尾を持つ女性。
彼女を説得しようとしていた亜人が、迫るギャザリンに気付き前に出る。
疾駆し、振るわれた斬撃を剣で受けるものの、後方に押し退けられる。
「あぅ」
壁に挟まれた女性が小さく鳴いた。
「逃げろ!」
震える亜人の女性、アンナは、どうにか抜け出ておぼつかない足で駆け出した。
ギャザリンの意識がアンナに向けられる。
殲滅。
作戦前、彼の発した言葉。
「殺らせるかよ!」
刃を交えていた亜人が零距離で魔法を放とうとする。
瞬間ギャザリンは後退。
構わず射ち放たれた魔法を、オーラを変化させて防ぐ。
魔法は電気質の塊だった。
あのまま零距離で射っていれば、亜人でさえ只では済まなかった筈。
後先考えてはいない。
「おおおっ!」
即座にギャザリンに追い縋り刃を振るおうとする。
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