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そんな亜人の腕を貫く、ギャザリンの黒槍。
「ぐぉあっ」
更に複数本のオーラの刃で亜人の身体を貫いた。
「…悪魔め…」
憎悪を込め、亜人はギャザリンを見据える。
その姿を冷たく、冷静に見やると、無情に亜人の首を跳ねた。
動く者が消えた空間で、ギャザリンはアンナの逃げた先に視線を向ける。
だが、追おうとはしない。
今排除せねばならない対象は別に居る。
そして、目前の部屋を凝視した。
暗く、奥までは見透せない室内。
「ここか…」
異様な魔素、魔力の立ち込める室内に入る。
室内は意外と広かった。
様々な、用途不明の機材が多く見て取れる。
それらを一瞥し、部屋の奥へと向かう。
人影が在った。
ベッドに座る、そのシルエットは女性と分かる。
そして、それが目標だと。
「…意外だな。
生物兵器、もっと『テラー』に近い物を想像していた」
近付いてみると、それは年端も行かぬ少女だった。
ギャザリンはその姿を見て尚、何の感慨も無く漆黒の長剣を振り被る。
そして。
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