第1章 エクストラ

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「しぶといな。 こんなに凌いだ奴は久しぶりだよ」 クロイツが血塗れの狼の亜人を見据える。 「くく…  只では死なんさ」 強がるものの、余力など無いに等しい。 他のレジスタンスのメンバーも残り僅か。 疲弊し、追い詰められる姿からは諦めの色も見て取れた。 そんな時、大地を震わせる轟音と共に、遺跡の側面に位置する一部の鋼鉄の壁が、内側から破裂した。 あまりのけたたましい金属の壊音と震動に、周囲で戦闘状態だった者達の動きが止まる。 注目の中、裂壊した壁から姿を現したのは、1人の少女を抱えるギャザリンだった。 少女は、ギャザリンの首に腕を回している。 「隊長…?」 クロイツは、内部の制圧をしている筈のギャザリンが、何故そこに居るか分からずいぶかしむ。 それに、ギャザリンが腕に抱く少女の形をした存在。 クロイツや、他の黒騎士にも分かった。 その存在は、あまりにも異質だと。
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