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1時間程前…
黒の甲冑とマントに身を包んだ一団が、樹海の直中で待機していた。
その中に、一際存在感の在る人物が居た。
同色の甲冑を身に纏いつつも、周囲の空気とは明らかに違う。
「情報通りの様だな」
指揮官らしきその男は、甲冑よりも更に深い漆黒の瞳で正面の部下を見据える。
「はい。
やはりレジスタンスの潜伏地はここで間違いありません」
部下の報告に、黒色の頭髪を揺らし、頷き応える。
指揮官らしき男の名は、
ギャザリン・ホーク・シルバーツ。
ラミラリーダ王国の特殊部隊『シーカー』の隊長。
他の面々を一瞥した後、ギャザリンは口を開いた。
「では、これより包囲殲滅戦を開始する。
最終目標は、奴等の製造したとされる、生物兵器の破壊だ。
各自、予定通り包囲陣を展開しろ。
その後、俺が先行する」
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