第1章 エクストラ

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肉食の『テラー』の標的は、当然人間や亜人にも及ぶ。 常に人類にとっての脅威となるその存在を、テラー…“恐怖”と、人は呼んだ。 ギャザリンは『テラー』に向け、臆する事無く駆けた。 目前の『テラー』は3匹。 茶褐色の毛皮に鞭の様に長く太い尾。 俊敏さを損なわない程度に発達した筋肉質な四肢に、犬科特有の細長い頭部を持つ、体長3メートル程の生物。 下顎が上顎より発達して膨れ上がっている。 獣型の『テラー』は、既にギャザリンに気付き警戒心を強め身構えていた。 対するギャザリンは漆黒のオーラを纏い、『テラー』に向け跳躍する。 「ギャオォオア!」 奇声を発して威嚇する1匹の『テラー』の眉間に、ギャザリンはオーラの槍を突き立てる。 瞬間気体化、地面に倒れ伏す『テラー』の前に着地した。 残り2匹が、左右に別れて飛び退く。 「グルルルゥ…」 ある程度の知能があるのか、ギャザリンの危険性を理解したのかすぐには襲いかからない。 だが、一定の距離から離れようとはせず、ゆるりと横に移動しながら、飛び掛かる機会を伺っている。
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