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「ガルヴォルフ…
知能は高い筈だがな。
さっさと逃げればいいものを」
涎を垂らし唸るその姿。
食欲に従う本能的な欲求から、引き下がる事はない。
ガルヴォルフの2匹は前傾姿勢のまま身を屈め、反動を付けて地を蹴った。
だが跳躍はせずギャザリンに迫る。
その意味を悟り、ギャザリンはすぐに攻撃しなかった。
ガルヴォルフは先のオーラの槍を警戒し、空中に出る事無く距離を詰める。
ギャザリンはガルヴォルフを十分に引き付けてから、オーラの黒槍を放った。
2匹へ同時に向けられた黒槍は各頭部を貫通していた。
しかし、1匹がまだ生きており、力無くも身をよじる。
「大した生命力だ。
しかし」
突き刺さった黒槍の先端を無数の針状に変え、頭部を内側から更に貫いた。
ガルヴォルフの1匹も、それで活動を停止する。
オーラを再び気体化した所で、接近する生体反応に気付く。
背後からだ。
『テラー』ではない。
感覚的に、『シーカー』のメンバーでもない事を知る。
「…レジスタンスか」
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