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ギャザリンは接近する存在を知りながら、その場に留まる。
このまま追い掛けられても面倒であり、ギャザリン自身、彼らに聞きたい事があった。
程無くして、3つの影が地面に降り立つ。
どうやら木々の枝を伝って移動していた様だ。
「ダークネス!」
狼の亜人が吠える。
「何か用か?」
それにぶっきらぼうな声で返すギャザリン。
「エクストラをどうするつもりだ!」
「エクストラ?
ああ…こいつの名前か。
別に、どうするつもりも無いけどな。
こいつが一緒に来たがったから、連れて来た。
それだけだ」
「…なに?」
亜人の3人は意味が分からず、互いを見回す。
「エクストラ。
その人は危険よ。
すぐに離れて」
身体の所々に鳥の羽毛を持つ亜人の女性、ナリーが前に出る。
「来ないで!」
発せられた透き通る少女の美声に、誰もが驚いた。
「危険?
…何が?
あたしを生んだ人達が、それを言うの?
あたしに取って、貴方達の方がよっぽど危険よ!」
少女…エクストラの言葉に、亜人達はたじろぐ。
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