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「人間と戦う為に、あたしは兵器として貴方達に作られた。
でも、あたしがどういう存在か…
本当に、分かってるの?
あたしの力が何をもたらすか、分かっているとは思えない」
少女の悲痛な訴えに、暫し言葉を失う。
「…エクストラ。
でも、君は人間では無い。
君がそうである以上、人間と共存出来はしないんだ」
頭の左右に歪曲した角を持つ亜人カリストが、エクストラを説得しようと口を開くが、
「それでもあたしは、貴方達の復讐の道具じゃない!
あたしには、あたしの意思がある!」
涙を浮かべるエクストラは、更にギャザリンに擦り寄る。
「…だ、そうだ。
こいつはあんたらとは行かないとさ」
何の感慨も浮かべず、ギャザリンは亜人達を突き放す。
「…ダークネス。
お前には多くの同士が殺された。
お前だけは、生かしちゃおけない」
血塗れの狼の亜人が、爪を伸ばす。
ギャザリンが漆黒のオーラをうねらせ、先端を物質化しかけた時、それよりも早く空中に表れる白き刃。
「この人に手は出させない。
それ以上近付いたら…」
エクストラが、きつく亜人の3人を見据える。
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