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一触即発の中、狼の亜人が爪を縮小させ、身体から力を抜く。
「この場は引くとする。
だが…
現実が何も変わっていない事を、覚えておけ」
「ローアン?」
カリストとナリーが戸惑う中、狼の亜人ローアンは後退する。
躊躇いつつも、カリストとナリーはローアンに続き、その場を離れていった。
少女の手は、震えていた。
兵器として宿命付けられた存在は、あまりに儚く、そして可憐。
ギャザリンは初めて、他者を護りたいと思った。
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