強襲のドラギオン

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かなりの距離を稼いだ所で、日も傾いた事から、ギャザリンとエクストラは河原付近で夜営をする事にした。 川魚を獲りギャザリンが焼き魚を振る舞うと、エクストラは元気にかぶり付き、黙々と食べていく。 時折、「おいし~」 と笑みを咲かせる姿は、ギャザリンにも同様の笑みを生み出す。 食事を終え、2人は寄り添いながら、薪が弾け火の粉の飛ぶ様を見詰めていた。 「…ねぇ? まだ、聞いてなかったんだけど…  貴方の名前は?」 ギャザリンの黒いマントにくるまり、エクストラは思い返したかの様に口にする。 「そうか、まだ名乗ってなかったな… ギャザリン・ホーク・シルバーツだ。  …はは、可笑しなもんだ。 お互いを何も知らずに、今はこうして一緒に居る」 ギャザリンの自嘲気味な乾いた笑いが谺する。 「そんな事無いよ。 あたしは、ギャザリンの優しさを知ってるよ? 過去や経歴が、その人の全てを決める訳じゃない」 「…エクストラ…」 屈託無く笑い掛ける少女の名を、躊躇いがちに口にする。 それが恥ずかしかったのか、エクストラは頬を染めて俯いた。
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