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「あたしね…
何度も何度も、ギャザリンを夢で見たの。
あたしを自由にしてくれる、闇を纏う騎士」
エクストラは、ギャザリンの頬に触れる。
「今この瞬間を、どれだけ焦がれたか…
あたしは、自分自身の生き方が欲しかった。
誰かに強要されるんじゃなくて、自分の選んだ人生を歩みたかった。
どんなに辛い日々に在っても、貴方の黒い瞳は、あたしに希望を見せてくれた。
今あたしは、世界を感じられる。
それは、貴方がくれたもの」
ギャザリンはここで初めて、最初にエクストラが見せた、笑顔の意味を知った。
エクストラはあの時、自分を救ってくれるのがギャザリンだと、確信していたのだ。
あれは、歓喜の笑顔。
待ち焦がれた瞬間に咲いた、敬愛と感謝の、心からの笑顔だったのだ。
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