第1章 エクストラ

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「了解」 黒の騎士達がギャザリンの指示に応じる。 黒の一団は、昼の陽光の下に在りながら、纏う空気は暗く冷たい。 木々の間から射し込む木漏れ日も、彼らを明るく照らしはしない。 まるで少しの闇にさえ、溶け込んでいくかのよう。 「行くぞ」 彼らは進軍を開始する。 黒き殺意を内包しながら。 「シルバーツ隊長」 先行していた部隊と合流、その部隊を指揮していた人物がギャザリンを出迎える。 「クロイツ、敵の戦力は?」 「情報より多少多いですが、問題は無いかと。 ただ、奴等の拠点になっているあの遺跡ですが、内部状況が把握出来ません」 「問題無い。  俺が先陣を切る。 突入後、敵戦力を掃討しつつ目標を探す。 お前の部隊で外の敵勢力を殲滅しておけ。  退路が他にあるとは限らん」 クロイツの報告に、ギャザリンは臆面無く応える。 内部状況の掴めない室内戦。 動きが制限される上に、待ち伏せや罠など、不安要素は数知れない。 「了解しました」 だがクロイツはあっさりと従う。 単にギャザリンを信頼しているのか、それとも敵を過小評価しているのか。 その答えは、直ぐにも出るのだった。
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