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「本物の世界はこんなにも綺麗なんだな…って、感動しちゃって。
あ、でも最初はそんな気無くて、少し水に触ってただけだったんだよ?
でも、何だか気持ち良くて…」
慌てたり、嬉しそうだったり、表情豊かにそう言う少女。
弁解する仕草に笑い掛けつつも、エクストラは気になる事を口にしていた。
本物の世界?
ギャザリンは黒のマントを翻し、エクストラの顔や髪を拭ってあげる。
「ありがと」
それを照れ臭そうに受け入れるエクストラ。
「…あたしね…
昨日、初めて外に出たんだ。
情報や知識では知ってたんだけど…
こんなにも、綺麗なんだね」
そう語るエクストラは、どこか寂しげだった。
「綺麗なものばかりじゃないさ」
ギャザリンは憂いを込めた言葉を口にする。
自分は、あまりにも汚れていたから。
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