強襲のドラギオン

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重厚なガントレットから覗く手には、刃が幅広の槍が握られていた。 「『ドラギオン』…?」 「そんな名で呼ぶな!  私達はヴァルナの民だ! 人間の物差しで、誇りある私達を侮辱するな!」 ギャザリンの発した一言に、怒りを露にする存在。 人間が名付けた種族、『ドラギオン』は、この世界の最強種である『ヴァナフィクサー』の血を受け継ぐとされている。 竜種と呼ばれる『ヴァナフィクサー』は、空気中の魔素を本能的に集める為、彼らは特異な魔法を駆使するという。 「覚えているか?  いや、忘れたとは言わせない… ヴァルナの民は、貴様らに滅ぼされたんだからな!」 憤怒のエメラルドの眼光を、ギャザリンは正面から見据える。 「覚えているよ。 倒滅を行ったのは『シーカー』だ。  俺が率いていた。  過去最強の部族だったよ」 「『ヴァナフィクサー』に次ぐ私達が、人間に遅れを取るなど有り得なかった。  貴様の存在さえ無ければな…」 歯を軋ませ、槍を握る手に力が籠る。 「貴様をこの手で打ち砕く機会を待ち侘びた。 今なら、私の槍が貴様に届く!」 豪槍を、眼前に構える。
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