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白光を纏う槍の1撃は脅威的で、纏う前より突破力と速度は格段に勝る。
おまけに漆黒のオーラの物質体をものともしない。
ギャザリンはレザーナの攻撃をまともに受けずに回避し続けた。
しかし動揺を露にするのは、レザーナ。
「おおおっ!」
渾身の上段からの斬撃に合わせ、ギャザリンはオーラを板状に配置した。
それを易々と断ち切る槍の一閃を確認し、僅かな動作でそれを回避、後退する。
その直後、レザーナの槍の光が失われた。
「…なるほど。
その光は、魔法の構成に干渉するのか。
しかし、持続するには常に魔素を消費する、か」
ギャザリンの言い種に、歯噛みするレザーナ。
「余裕のつもりか?
冷静に分析とは…
舐められたものだ」
レザーナの周囲の魔素の流れは、エクストラのものとも違う、別個の異質さがあった。
まるでレザーナに吸い寄せられているかの様。
これが、『ヴァナフィクサー』の血を引くヴァルナの民の特性か。
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