強襲のドラギオン

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「…ぐ、馬鹿な…  何故…」 「俺の『ガバナー』は、この周囲の魔素の流れを感知している。  その俺に、死角は無い」 ギャザリンの漆黒のオーラ、『ガバナー』は形状の性質変化だけでなく、鋭敏な感知能力も併せ持つ。 周囲の魔素の流れや他者の意識を感知し、使用者へと得られた情報を返す。 『ガバナー』とは、強大無比な変幻自在の武器となり、優れた知覚機能さえ併せ持つ、究極の魔法。 その意は、“戦場の支配”。 「何故、攻撃の手を止める…  殺せばいいだろう!  これまでそうしてきた筈だ!」 憤るレザーナを前に、ギャザリンは押し黙る。 「…貴様がどれ程の存在だろうと、関係無い…  命在る限り、抗うまでだ!」 レザーナは鋭い口を開き、口内に魔素を凝縮すると、生み出した魔力で1つの魔法を構成した。 「がぁあっ!」 叫声と共に解き放たれた圧縮した何かが、周囲の大気を乱し、地面を抉りながらギャザリンに高速で飛来した。 それを、ギャザリンは避けようとはしない。 全てが無駄だと、現実を突き付ける為か。 それとも、レザーナの殺意を正面から受け止めようとしているのか。
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