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亜人は、人為らざる存在の血を受け継いでいる。
それは、本能が色濃く残っている事を意味していた。
人間は定められた秩序の元に理性的に生活を営む。
本能が、時に理性を上回る亜人との摩擦が生じ始めたのは、必然だったのかもしれない。
それはこの国、ラミラリーダに限った事ではない。
世界的に見ても、亜人と共存共栄している例は僅かだ。
そんな中、ここラミラリーダは特に亜人との差別化を図る国として知られている。
亜人は、母国から切り捨てられようと、他国には逃れられない。
他国とて、自国の亜人種に手を焼いているからだ。
更には、ラミラリーダからの亜人の亡命には目を光らせている。
ラミラリーダの亜人は、人間の監視の元で、隷属的な扱いを受け、国の隅へと追いやられていた。
亜人を見下し迫害する。
今やあらゆる地域に根付く、人間の繰り返す風習である。
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