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真っ直ぐに、純粋な想いを向けてくる。
それは、ギャザリンの罪悪感を薄れさせ、胸の内を揺さぶった。
そこには、もう…何の迷いも無い。
「それがエクストラの望みなら。
俺と…家族になろう」
エクストラの孤独が、名を求める結果になったのかもしれない。
彼女は、この世界であまりにも特異過ぎるから。
エクストラは、ギャザリンの頬に触れると、そっと瞼を閉じる。
「エクス…」
そして、震える唇で口付けた。
唇が触れるだけの優しいキス。
ギャザリンは突然の事に硬直してしまう。
数秒の後、エクストラが静かに紅潮した顔を離した。
「これって…結婚だよね?」
エクストラは自分の唇に触れながら、悪戯っぽく笑う。
「随分と唐突だな」
「あ、あたしは、別に…
軽はずみに言ってる訳じゃないもん」
慌てて弁解するエクストラ。
「はは…
出会って3日で結婚か。
普通、有り得ないだろ」
「普通なんて、あたしは知らないもん」
頬を膨らませるエクストラを、ギャザリンは抱擁する。
「あ…」
とても自然な気持ちで、少女を受け入れられる。
エクストラがそうである様に、ギャザリンもこの安らぎが愛しかった。
2人は互いに見詰め合うと、どちらからともなく唇を合わせる。
誓いの場はたった2人なれど、その想いは、確かに2人の胸に刻まれた。
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