それが生きるという事

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「…そうだな」 エクストラは自分を作った亜人達によって、ある程度の知識を与えられていた。 この世界に在る繁栄の側面や裏側について、特に多く知っている。 彼女は、人間社会に対抗する為に生み出されたのだから。 エクストラは自分自身の未来を望んでいる。 だが、兵器となるべく与えられた偏った知識が、彼女から笑顔を奪っていた。 「この華やかさの裏には、犠牲となる人達が居る。  輝いて見えるのに…  なんだか、悲しいね」 明朗快活な印象を与えながら、視野が広く、核心的な言動も見せる。 不思議な少女だ。 いや、“俺”が人の心を見ようとしてこなかった為に、余計そう感じるのか。 「確かに…そういう一面はあるし、否定出来ない。  それが現実だからな。 人口の比率や世情で弾圧される人がいる。  一方的な価値観を強要する…  繁栄の代償は、偏見と差別だ」
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