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それでも、エクストラに魅せられている者は多い。
あまり目立ちたくないところだが、彼女の美しさはそんな思惑を一蹴する。
「エリー、行くぞ」
ホテルマンが部屋に案内しようと待機している為、ギャザリンがエクストラを呼ぶ。
「は~い」
それに、快く応じた。
エクストラは笑顔でギャザリンと食事をし、談笑し、深まった夜の街の夜景に目を奪われる。
喜びを振り撒く姿は、ギャザリンの心も満たした。
しかし、気付いている。
その笑顔の裏には、もう1つの感情も在る。
それでも、ギャザリンは聞いてみようと思う。
その為に、今ここに居るのだから。
「エクストラ」
「なぁに?」
笑顔を消したギャザリンを、エクストラは見詰める。
「この街に住んでみるか?」
「え…?」
エクストラにとって、思いもよらない提案だったのだろう。
動揺が見て取れる。
「でも、あたしは…」
「分かってる。
俺もエクストラも、正体は明かせない。
気付かれる危険性だってある。
それでも…エクストラが人間としての生を望むなら」
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