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人間が踏み入るには場違いな空間が、そこには在った。
「…何で、こんなにも違うの?」
エクストラの瞳は揺れる。
「お前ら人間様が、こんなとこに何か用か?」
辺りを見渡しながら歩んでいた2人の前に、みすぼらしい衣服を纏う数人の若い亜人が現れ、敵意を剥き出しにして語り掛けてきた。
白い体毛や動物の耳を持つ姿から放つ空気は、一切の拒絶を感じさせる。
「ここは観光する場所じゃねぇぞ?」
「あ、あたし達は…」
「あん?なんだよ?」
一方的に向けられる敵意に、エクストラはたじろぐ。
「連れて来たのは俺だ。
少し…話を聞かせて欲しい」
「あ?何言ってんだお前…」
エクストラに向けていた矛先を、ギャザリンに変える1人の亜人。
その手に、力が籠る。
「止めろ」
ギャザリンとエクストラの前に立ち塞がる亜人達の後ろから、落ち着いた雰囲気を漂わせ、白髪で色白の1人の亜人が近付いて来た。
限り無く人間に近く見えるが、瞳は金色で瞳孔は細い。
骨格もやや発達しており、それは人間の形をした別個の存在を思わせた。
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