感動話1

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俺の家は母子家庭で母と兄と俺の三人家族だった。 兄は俺より4つ年上で俺は何でも兄のおさがりばかりだった。 兄は中学卒業後働きにでたわけよ、母と家庭を助ける為に。 そんくらいから俺は兄のおさがりばっかだと言う理由と兄は職場のストレスからイライラが溜まり喧嘩が多くなった。 俺が中学3年で進路を決める時に 母は『あんたは高校にいきな。学費はかぁちゃんがなんとかするから』と言ってくれた。 嬉しかった。 泣きそうなくらい嬉しかった。 俺が高校に入学してから兄は夜遊びが多くなった。兄が夜中に遊びに行く時 俺は「どこ行くんだよ!こんな時間に!かぁちゃんはまだ仕事してんだぜ!!!」って言ってやった。 そしたら兄は「ウッセーな!お前には関係無いだろ!俺だって遊びたい時くらいあんだよ!」って言って出てった。そんなある日の夜中、警察から兄貴がバイクで事故ったって電話があった。 母と俺はタクシーで病院まで急いだ。兄は危険な状態で集中治療室にいた。 俺は母の前で「けっ!いつもいつも夜中に遊び回ってからこんな目に遭うんだよ」ってつぶやいた。そしたら母は俺の頬にビンタをした。 驚いた、あの優しい母が、俺に暴力を振るった事なんて一回もないのに。「何すんだよ!」って言った俺に 母は 「兄ちゃんが言うなって言ってたからいわんかったけど、あんたの学費払ってんの兄ちゃんなんよ!仕事終わった後に朝までバイトやって、目の下にクマまで作って。それなのにあんたは・・・」 泣いたよ。 いつも喧嘩ばかりなのに、最近じゃあ全く口もきかないのに。 俺は兄貴が目開けたら『ありがとう、それとごめん』って言おうと思っていた。でも兄貴が目を開ける事はなかった
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