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蓮「浦正…、サッカー俺と行きたい?」
浦『…な……』
素直に言ってくれ―
俺は、浦正から返事が欲しかった―――
だから、言葉は掛けず返事を待つ。
―――当然ながら、沈黙。
浦『蓮次…?いる?』
蓮「ん、おるよ。」
名前を呼ばれれば返答はする。
しかし、また沈黙―――
電話口の向こうでは、“あー…”という嘆く声だったり、小さな物音は聞こえる。
ただ、浦正の正直な気持ちはなかなか言葉にしてくれない。
蓮「浦正、俺に言いたいことあるんやろ?いつもなら、ちゃんと言ってくれるやん。」
俺は正直に伝える。
浦『…笑うなよ?』
真剣なんだろうが、弱気な浦正の声。
蓮「笑わへんよ。」
浦『蓮次と行きたいんだよ………彼女いないしさ。』
いつも元気な声とは違い、少し照れの入った可愛い声。
しかし、最後の一言につい吹いて笑ってしまった。
浦『っ!お前、笑うなっつったろ!!めっちゃ恥ずかしかったってのに……ひでぇ…』
蓮「スマン…つい。(笑)」
浦『スマンじゃねえよ!約束破ったから、お前ジュース奢れよ!』
電話口の浦正の声は、開き直ったかのような、やけに偉そうな態度だった。
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