1869人が本棚に入れています
本棚に追加
次々に運ばれてくる料理に、女性陣からは歓声が上がる。
飲むより食べる事を楽しみにしている者は、料理を摘む箸が止まる事が無い。
男性陣は刺身を摘みながら飲んでいた。
『伊東さん、飲んでますか?』
ビールの入ったピッチャーを持ち篠崎がやってきた。
『飲んでるわよ』
『ぐいっと空けて下さいよ。今月は伊東さんのお陰で売り上げいったようなもんですから』
『違うわ。みんなが頑張ったからよ』
グラスを空けると篠崎がビールを注ぐ。
『あ、篠崎さんもグラス持ってきて下さいよぉ。薫がビール注いであげますからぁ』
薫に言われ篠崎は自分の席に置いてあったグラスを持ってきた。
『篠崎さん、お疲れ様でした。どうぞ』
そう言って、薫より先にピッチャーに手を伸ばしたのは佐藤京子だった。
『ちっ』
へっ? 舌打ち?
なんだか、隣に座る薫から聞こえた気がしたんだけど?
薫の方に目をやると、彼女はアタシを見てニッコリと笑う。
気のせいだよね……。
最初のコメントを投稿しよう!