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ふと京子の方に目をやると、薫を見ながらフンッと鼻を鳴らしていた。
確かに篠崎はこの部署ではイイ男の上位にいると思われる。
目鼻立ちが整っていて、なんと言っても清潔感が女子に好感を持たれているのだろう。
たしか今年で28歳のはず。
薫も京子も篠崎を狙っているのか?
一男に甘えるだけの女って大っ嫌い一
トイレで言っていた京子の言葉を思い出した。
『篠崎さぁん、薫あの唐揚げ食べたい』
篠崎の向こうに見える唐揚げを指さし薫は甘えた声を出す。
皿ごと手にした篠崎に更に薫は言った。
『薫、篠崎さんに食べさせてもらいたいなぁ』
『えっ』
『あ~ん』
アタシは薫を見ていて太郎を思い出した。
類は友を呼ぶってかいっ。
『薫ちゃん、一口でいけるかな』
篠崎が薫の口元に唐揚げを近付けると、彼女は更に大きな口を開けヒナに変身した。
『ん~、おいひぃ』
そう言った薫の目は京子へと向いていた。
京子の唇が細かく震えている。
嫌だわ……。
女って……。
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