女の本性

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  アタシは席を立ちトイレへと行った。   用を済ませ、手を洗いながら目の前の鏡に写る自分の顔を見た。   このところ忙しかったせいか、睡眠も足りてないせいか、化粧のノリが悪いのが見てとれる。     『いやぁ~ねぇ。30過ぎるとコレだから』     トイレから出てくると座敷にはアタシの座るスペースが無くなっていた。   アタシの座っていた場所に京子が移動してきて、篠崎を薫と挟む形になっていた。     必死ね、ふたり共。     アタシはカウンターの空いていた席に座りビールを頼んだ。   座敷のテーブルの上に置いてあったタバコをこちらに持ってきて、1本くわえて火をつける。     隣に座る人が灰皿をアタシの方に少しずらしてきたので、どうもと頭を下げた。     『会社の飲み会ですか?賑やかで楽しそうだな』   『すいません、うるさくないです?』   『いや、全然。こういうとこは楽しく飲む場所ですよ』   そう笑うその人は、日に焼けたガッシリとした体格で、ジムかスポーツをした帰りなのかジャージにTシャツという恰好をしていた。  
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