1870人が本棚に入れています
本棚に追加
『こいつね、こんな毎日を送ってるからさぁ、彼女が出来ても長続きしないんさぁ。
お姉さん、よければこいつと付き合ってやってくれないか?
あ、こんな綺麗なんだからもういるか』
カウンターの中から主人が親指を立てて笑う。
『おやっさん、やめてくれよ、彼女が迷惑だろ』
『いえいえ、そんな……』
ちょっと、今の聞いた?
綺麗だってさ。
まだまだアタシもいけるんじゃないの?
でもね、いませんから。
残念ながら。
太郎は彼氏ではない。薫に紹介されたけど、そういう対象として見てはいない。
何故なら、年下だから。
年下は頼りないから対象外なのは薫にも言ってある。
勿論、太郎にも友達としての付き合いならOKだが、それ以上を求めるなら他を探しなさいと言ってある。
もしかして、いいんじゃない?
歳もアタシより上だし、彼女もいないし……。
ここで出会ったのも何かの縁って事で。
『キャー! 何するんですかぁ』
『何よ、そっちこそ!』
その声にはっと我に返り振り向くと、薫と京子が互いの髪を掴んで組み合っていた。
最初のコメントを投稿しよう!