女の本性

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  『こいつね、こんな毎日を送ってるからさぁ、彼女が出来ても長続きしないんさぁ。 お姉さん、よければこいつと付き合ってやってくれないか? あ、こんな綺麗なんだからもういるか』   カウンターの中から主人が親指を立てて笑う。     『おやっさん、やめてくれよ、彼女が迷惑だろ』   『いえいえ、そんな……』     ちょっと、今の聞いた? 綺麗だってさ。   まだまだアタシもいけるんじゃないの?   でもね、いませんから。 残念ながら。       太郎は彼氏ではない。薫に紹介されたけど、そういう対象として見てはいない。   何故なら、年下だから。   年下は頼りないから対象外なのは薫にも言ってある。   勿論、太郎にも友達としての付き合いならOKだが、それ以上を求めるなら他を探しなさいと言ってある。     もしかして、いいんじゃない?   歳もアタシより上だし、彼女もいないし……。   ここで出会ったのも何かの縁って事で。       『キャー! 何するんですかぁ』   『何よ、そっちこそ!』    その声にはっと我に返り振り向くと、薫と京子が互いの髪を掴んで組み合っていた。    
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