年下の男

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  知り合ったきっかけは会社の後輩。   後輩はアタシより7歳下で、太郎と同じ歳の井上薫。   その彼女と太郎が同じ大学のサークル仲間だった。   大学卒業後も仲間内で集まって飲んでいる席で、薫の口からアタシの話が出たのがそもそもの始まりだった。         『麻衣先輩、先輩に会ってみたいっていう人がいるんですよぉ』   『誰?』   『薫の大学時代のサークル仲間なんですけどぉ』   『自分の事を名前で言わない! 語尾伸ばさない! 頭悪く見えるよ』   『はぁ~い。また薫ったら先輩に叱られちゃったぁ』   『…………』     気を取り直し彼女の方に向き直る。     『で、アタシに会ってなんだって言うの? そのサークル仲間の方は』   『なんかぁ、この間飲みに行った時に薫が先輩の話をしたら会ってみたいって言い出してぇ』   『で?』   『薫に任せてって言いましたぁ』   『却下!』     アタシは自分のデスクに向かい手帳を開き、今日の予定を確認した。     『えぇ~、そんなぁ、薫困っちゃいますぅ』   『じゃ、勝手に困ってて』   アタシは席を立つと歩き出し、部長のデスクへと向かった。  
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