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黄「…この子だけ、特別扱いか」
黒「そう言うなよ、分かるだろ?」
侯隆は嫁との間には子供が生まれなかった。
だからこそ、幼い頃から面倒を見ていたすばるは実の子のように愛おしいのだった。
黄「一見健康なすばるを廓から逃がしたら、他の遊女は…」
黒「あぁ、不満に思うな。自分の病をどうにかしてくれとも言うだろう」
黄「他の店の楼主からも批判を受けるな」
黒「……ただ、死んで欲しくないと願う、それだけなのに…簡単に出来ないなんてね」
その口元は自嘲気味に緩やかな弧を描くも、瞳は僅かに潤っていた。
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