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「で、足抜けさせるのかい」 「そうなら相談なんてしないさ、忠義」 処は変わり、塗物問屋。 広々とした亮の部屋には忠義と呼ばれる男が招かれていた。 彼はこの塗物問屋の隣で小さな和菓子屋をしていた。 塗物問屋と比べたら大層小さい店の主人だが、亮と対等に口が聞けるのは幼なじみであったお陰だろう。 自分が土産にと持ってきた大福を自分で摘みながら話す。 ∞
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