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校庭を荒らした次の日。
ナオヤと岩田は休んでいた。
荒れまくっていた校庭を、不思議そうに先生たちが整備した。
「おい宮内。これで清々したかの?」
一人トイレを済ましてきた宮内にタケルが話し掛けた。
「どうしたの?何のこと?」
「ずっと見ていたんじゃろ?杉本を倒すために」
「それは岩ちゃんがリーダーでやってたじゃん」
「そぅ…矢面に動いていたのは確かに岩田だったわい。だがそぅ仕向けたのはオヌシじゃろ?ほらコレ」
タケルは顔色を変えた宮内の手に何かを握らせた。
「し...知らないし!ボクに何ができるんだよ!」
「オヌシいじめられて保健室に登校してた時期があったらしいの。その時にあの保健医に力をもらったんじゃな」
「チカラ?なんのことだか」
「土属性…岩田と同じか。いろんな所に小さな陣を張ってその場の情報を読みとっていたか。ささいな力じゃったのぅ。それで力の強い岩田を推したのか」
「何?わ…訳わかんねぇ!」
宮内は動揺が隠せない。
「まぁ…終わったことじゃ。だが、これがオヌシの描いた終わりか?…ま、オヌシにはこれからが始まりなんじゃろうがな。…ちなみに…」
その場を去ろうとしたタケルが宮内に振り返った。
「岩田の力もオヌシの力も、永遠に使えないように封じさせてもらったからの」
と言いながら宮内の手に握らせた物を取り上げた。
「はぁ!?何を…」
「今、オヌシが握った石。これに封じといたわ」
タケルは、そこら辺にあるような小さな石を見せた。
「ま、オヌシがとぼけるならソレもよし!ほぉら!」
タケルは窓から石を投げ捨てた。
「オヌシの力も捨てさせてもらったぞ」
「そんな…はは…馬鹿な…」
早足で宮内はどこかへ歩いていった。
その日の放課後。
草村で何かを必死に探している宮内の姿があった。
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