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ヤバい!ヤバい!
元気はやっぱり今朝も疾走中。
-キーン コーン カーン コーン
チャイムが鳴った。
「今日も遅刻だね」
「そうみたいだね」
-バタバタバタ
「おはよー!」
「有栖川さん。あなたね。毎日遅刻じゃないですか」
「セーフセーフ」
「今日はどうしたの?」
「電車で寝過ごしちゃった。気づいたら渋谷で、メチャ焦った」
「はあ?あのねえ」
「有栖川くん。おはよう」
ここまでは、いつもと同じだった。
違うのはここからだ。
「あ。漣くんおはよ。それがさぁ。聞いてよ」
元気は漣への挨拶をそこそこに、遅刻話の顛末を語り出した。
「なんですか?」
拓真が面倒臭そうに聞いてやる。
「山手線を降りて、ダッシュしたんだけど、階段で靴が脱げて下まで転がっちゃったの」
「へぇ。人が多いのによく靴を見つけられたね。あっはっはっ!」
秀人は完全にバカにしている。
「ちがうよ。俺が落ちたんだよ」
「やっぱりバカだぁ~!」
拓真も秀人に続く。
「怪我しなかった?」
慧だけが心配そうに聞いてくる。
「平気!平気!不死身のアリスちゃんだよ」
元気はすくっと立ち上がると両手を腰にあてる。
「どんだけ頑丈なんですか!?まあね。バカは死なないですからね」
腹黒キャラの拓真。
早くも板についてきた。
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