あいしゅくんと唐揚げ定食

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「漣くん。今日は何食べる?」 「あいしゅくんと同じの」 「“あいしゅくん”?」 元気は首を傾げて漣を見る。 「あいしゅくんだよ。うふふ」 元気を見上げて笑う漣。 舌足らずな言い方がカワイイなぁと元気は思った。 「今日は…おっ!唐揚げ定食だぁ!!」 大好物の唐揚げ定食に大喜びの元気。 「漣くん。唐揚げ定食だよ」 「定食…。」 「どーしたの?唐揚げ嫌いなの?今日もカレーにする?」 「唐揚げ定食にする!あいしゅくんと一緒がいい」 「はい。じゃあ、食券を用意してくださ~い」 「はいっ!!」 カレーと麺類は券売機で食券を買う必要があるが、定食は10枚綴りになっているチケットを購入している。 漣は胸ポケットからチケットを取り出した。 ミシン目があり、1枚ずつ切り離して使うようになっている。 「あいしゅくん、切ってぇ」 ニコニコと笑いながら元気にチケットを渡す。 「甘えん坊だなぁ」 カワイイ笑顔で甘えてくる漣にデレっとした微笑みを返す元気。 切り取った1枚を漣に渡し、残りの9枚は胸ポケットに入れてやる。 「甘えん坊じゃないでしょ。そんなこと言われたの初めてだよ」 「はいはい。そうだね。あっ、俺も食券出さなきゃね」 元気はパスケースから食券を取り出した。
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