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「タクは決めたの?」
「いちばんラクできそうなトコを探します」
「ふっ。タクらしいね。漣くんは?」
「そうだな~。タクくんかサトくんと一緒のとこにするよ。だって、サッカーもバスケもダメっしょ。それに、ひとりは絶対にイヤだ」
いかにも漣らしい発想だ。
潤んだ瞳で慧を見つめる。
「おいら美術部にするよ」
「ホント!?じゃあ美術部に入る!」
美術部は第一希望。
喜びのあまり慧の方に身を乗り出した。
「こら漣くん!動きまわると大きいトマトを突っ込むよ!」
元気は最後に残していたひときわ大きいトマトを漣の口に押し込んだ。
「ぐふっ。ゲホっ。ブフォッ!!」
「ごめん。ごめん。はい、お茶。ゆっくりね」
背中をさすりながらお茶を飲ませる。
「漣くん。大丈夫?」
「あー。死ぬかと思った。危うくトマトに殺されるとこだったよ」
「ごめん。ごめん。本当にごめんね」
まだ心配そうな元気の表情からは、いつもの笑顔は見えない。
「うふふっ。ごちそうさまでした。あいしゅくん。また、食べさせてねぇ~」
ニコッと微笑み元気の腰に抱きつく。
「慧くんと漣くんが美術部。有栖川くんがバスケ。俺がサッカー。タクも早く決めろよ」
「はいはい」
気のない返事をしてみる。
真剣に考える気などハナからない。
全員がサッカー部へ入部届けを出すまで、あと 17日
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