漣と靴とおバカさん

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「ごちそうさま~」 「漣くん。走る練習しよっか」 「うん!よろしくお願いしますっ!!」 「俺も付き合うよ。2人はどうする?」 「もちろん。付き合いますよ」 「おいらも」 秀人の誘いに拓真と慧も乗っかった。 「その前に東山先生に謝りに行かなくちゃ」 漣は今朝の反省と、東山への感謝を伝えておきたいのだ。 「先生は研修だってさ。明日の朝に謝ろうね」 「シューちゃん。先生が研修って、なんで知ってるの?」 「秀人くんは、東山先生が好きなんだよね」 漣が爆弾を投げた。 「え~~!?」 青少年らしい反応が返る。 「ちがうよ!!もお。漣くん!」 「だって、いつも、かっけ~って言ってるでしょ」 間違いではない。 東山に淡い恋心を捧げている。 「言ってるよ。それは好きじゃなくて、男性として魅力を感じるってこと!」 「英国紳士じゃないのに?」 あくまでも否定する秀人に対して、漣は分かりやすい質問をしてみた。 「漣くんアマいねぇ~。英国紳士のスポーツヴァージョンだよ」 帰国子女らしく"V"の発音が完璧だ。 「とにかく好きなんだよね」 「だからぁ。漣くん聞いてる?」 秀人の胸の鼓動が激しくなり、頬には赤味が差す。 恋の病の初期症状だ。
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