漣と靴とおバカさん

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「どこでする?」 廊下からグラウンドを見渡すと、所狭しと部活の真っ最中。 「端の方でやろう」 「50メートルある?」 「お~!!漣くん。本気で1位を狙ってるねぇ」 秀人が漣の頭をポンポンと叩く。 「あったりまえだろ~!」 エレベーターで1Fに下りる。 教職員や自販機等の業者専用で生徒の使用は原則禁止されているが、漣は使用が許可されている。 小学校の時は片手に杖を突き、もう片方は手摺りを持って階段を上り下りしていたので、非常に危険かつ時間がかかった。 アームレストで揺れるブタのストラップを眺める秀人。 なるほど。 漣くんの言うとおりだ。 車椅子も良いもんだな。 自然と笑みが零れる。
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