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「まず漣くんの前に立って自分の首に漣くんの手をかけさす。次に漣くんの脇の下に手を入れてしっかり支える。漣くんを自分の体にもたれかけさせて一気に立ち上がる。はいっ!漣くん立つよ!!せーの!」
漣は秀人の肩にもたれかかりながら立ち上がった。
肩越しに元気が見える。
元気が漣にピースサインを送ると、漣も笑顔で送り返した。
二人に気づいた秀人はニヤリと笑う。
「こら!漣くん。真面目にやらないとくすぐっちゃうぞぉ」
「ヤダ。秀人くんごめんなさい。ごめんなさ~い」
「なんだこりゃ!?ヘタなコントみたいだよ」
拓真の激しいツッコミが秀人の瞳に笑みを誘った。
漣を元の場所に座らせる秀人の表情からは迷いが消えていた。
「次。有栖川くんやってみて」
「あのさ。シューちゃんはいろいろやってたけど、これでいいんじゃない?」
元気は漣の肩と膝の下に手を入れるとスッと抱き上げた。
「漣くん、どう?」
「ふっふ~ん。サイコーだよ」
漣はこの時にお姫様抱っこの味を占めたのだ。
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