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「こんなファッションはどうかしら？似合うと思うわよ」
「はい？」
真子に手渡された雑誌をチラっと眺める。
女子中高生に人気のモデルが特集ページを飾っているが、拓真にとっては月よりも遠い別世界だ。
「カッコイイでしょ。狗谷遼（くたにりょう）ちゃんよ。彼女は中高生に大人気のカリスマモデルなのよ」
「えっ!?この子オンナなの!?」
雑誌を見つめる拓真。
スポーティーなベストとチェックのボトムをセンス良く着こなし、タレメ気味の大きな瞳が印象的だ。
ユニセックスが特集テーマなのか、少年っぽい衣装が多いがよく見ると確かに女の子に違いない。
「タクちゃんも遼ちゃんが着ているようなファッションが似合うと思うわよ」
「いやぁ…」
似合うかもしれない。
だが、生まれてこの方オシャレなんて気にしたことがない。
まして女の子のモデル。
似合うと言われても返答に困る。
「ママに任せて！」
「はぁ…？」
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