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「遼ちゃん!」
「はーい」
キャサリンが声を掛けると細身の少年が駆け寄ってきた。
タレ目気味の大きな瞳が印象的だ。
「あっ!」
少年ではない。
真子に見せられた雑誌の少女だ。
「遼ちゃん。こちらが新納拓真くんよ。お洋服を選んであげてちょうだいね」
「はい。拓真くん、よろしくね」
「よろしくお願いします」
まさかの急展開だ。
さすがに雑誌から少女が飛び出してくるとは考えてもいなかった。
真子の行動力と、それを支える交友関係の広さを初めて見せつけられたのはこの時だった。
「拓真くんは何年?」
「中1です」
「年下だね。何が好きなの?」
好きなもの。
ふと浮かんできたのは慧だった。
しかしこの場合の回答としては不適切だ。
「ゲームです」
「ウチもゲーム好き!」
「本当ですか!?」
ようやく拓真の表情が緩んだ。
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