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「漣くん、手を元に戻していいよ。開いたり閉じたりしてみて」
漣はやってみた。
「あっ、治った!サトくんありがと~!」
「もう無茶したらダメだよ」
「うん。ごめんね」
漣はハンバーガーを持った。
「あいしゅちゃん。ありがと。あとは自分で食べるよ」
元気はこの時イヤな予感がしたが、気のせいだと思い深く気にとめなかった。
「漣くん。初めての渋谷の感想を教えて下さいよ」
さすがの拓真でも漣を連れて来るまでは不安だったが、いざ来てみるとそんな気持ちが吹っ飛んだ。
「怖かった。でも楽しい!」
漣はいつもの笑顔を見せた。
「次はドコに行きたい?」
慧も漣が喜ぶのなら、何処へでも連れて行ってやりたいと思っている。
「また連れて来てくれるの!?いいの?」
「みんなでいろんな所に行こうね」
慧は目尻を下げて優しく微笑む。
「ありがと~!!。あのさ、原宿って遠いの?」
「すぐ近くだよ」
「原宿に行ったらナンパしなきゃ男じゃない!って、お兄ちゃんが言ってたよ。一人で電車に乗れたら、ご褒美に連れて行ってもらってもいいかな?」
「いいよ」
「よしっ!頑張る」
「俺も頑張る!」
「有栖川さんは頑張らなくていいですよ!」
「そうだ!タク。この前の靴を買ったのって渋谷でしょ」
秀人は拓真のスポーツシューズが気に入り同じ物が欲しいのだ。
急遽、渋谷ツアーに参加したのもそのためである。
「同じ物を買おうとしてるでしょ?」
「うっ!!なんで分かったの?」
「ダメですよ!」
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