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「よしっ!漣、風呂入ろうか?」
「はいっ!!シャ~ンプー!シャ~ンプー!」
「桃。漣の部屋に行って着替えと車椅子を取って来てちょうだい」
「はい」
桃は漣の部屋に向かいかける。
「えっ--!車椅子はイヤだ」
「またペタペタと床を這って歩くつもりなの?」
「ちがうよ。桃!カストルとポルックス持って来てよ」
「どうしてイヤなの?」
「歩けるからに決まってんじゃん」
澪と漣がそれぞれに違うことを言うので、桃は戸惑ってしまった。
「母さんも漣もどうしたの?桃が困っているだろ。桃、漣の部屋に行って着替えを取って来てやって」
そう言うと樹は漣を抱き上げた。
漣が抵抗するかと思いきや楽しそうな様子だ。
「あっ!」
桃はまた思い出した。
学校では「抱っこして。おんぶして」と甘えているらしいと拓真が言っていた。
「ふっふ~ん。抱っこサイコー!」
拓真によって兄としての威厳が破壊されているとは知らずに、樹の腕の中ではしゃぎまわる。
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