お受験への道-漣篇

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「いいかげんにしろよ!」 誰かの叫ぶ声がした。 転入生の彼だ。 「ダメ!」 漣は叫んだ。 転入生は顔を真っ赤にして肩を震わせている。 「こんなことして何が面白いんだよ!これは立派な犯罪なんだぞ!小学生でも罪は罪なんだぞ!」 そして、クラスメートに向かっても大声をあげる。 「おまえらもだ!見て見ぬフリってのは、一緒にイジメてるのと同じなんだよ!おまえら胸が痛くならないのかよ!苦しくならないのかよ!おかしいよ!こんなの絶対におかしいよ!おまえらみんなサイテーだよ!」 転入生は涙混じりに怒りをぶちまけた。 「大丈夫?」 転入生が漣に声を掛ける。 「ダメだよ。キミもイジメられるよ」 漣は転入生の手を振り払う。 「ふんッ!上等だよ」 転入生は笑い飛ばした。
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