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転入生は漣に肩を貸して椅子に座らせた。
漣を支えるのは、背が低い彼には少々キツかった。
「ごめん…な…さい…」
漣は声を絞り出す。
「謝るのは俺の方でしょ」
転入生は漣の目を見た。
「漣くんだよね?」
漣はコクンと頷く。
「ずっと一人で頑張ってきたんだね。辛かったよね?ごめんね」
漣は下を向いて震えている。
「そんなに頑張らなくてもよかったのにさ。俺だったらこんな学校に来ないよ。漣くんは頑張りすぎなんだよ」
転入生は優しく語りかける。
「お母さんが…。お母さんが悲しむから…」
「お母さん?」
「そんなことしたら…お母さんが悲しむから…。こんな体に生んで…ごめんなさいって…自分を責めるから……」
「漣くん!」
転入生はギュッと漣を抱きしめた。
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