お受験への道-秀人&漣篇

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秀人は話題を変えた。 「俺、薫風を受験するんだ。父さんがそうしろって」 「薫風!?スゴイじゃん!頑張ってね。俺は、養護学校に行くと思う」 「イジメのせい?」 「それもあるけど、車椅子になったら普通校は大変だしね」 「そっか」 もうすぐ歩けなくなると漣は言った。 その時を迎える覚悟が出来ているとも言った。 辛い思いもたくさんあるだろうに、どうしてそんなに穏やかな表情が出来るのだろう。 自分と同じ歳なのに…。 秀人は漣にかける言葉を探している。 そして漣は、そんな秀人の横顔を眺めている。 「秀人くん。俺の家は、お父さんもお母さんもお兄ちゃんも薫風で、桃も薫風に行きたいって頑張ってるよ」 「そうなの?だったら漣くんも薫風に行こうよ!」 漣は首を横に振った。 「秀人くん。養護学校だったら、俺なんかでも普通になれるかな…」 寂しそうな声が秀人の心を痛くする。
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